井上陽水「空想ハイウェイ ACT2」感想
オープニングは、南の海のリゾートホテル(沖縄?)のテラスで、「かんかん照り」(1972)。
水道の水がぐらぐらたぎり、セッケンはすぐに、どろどろ溶ける
ありえない光景が、凄くリアリティを持って迫って来るこの歌詞を聴いていると、おのずと、畳の敷いてある日本家屋内の風景が脳裏に浮かぶのだけれど、敢えて(?)、それを、夕暮れの涼しい風が吹き抜ける開放的な屋外空間で唄う。なかなかシュール。
全四回シリーズの第二回目の今回は、1972年頃、一緒に、フォークライブツアーを行ったメンバー五人(高田渡、三上寛、加川良、友部正人、井上陽水)+小室等の同窓会という趣向。でも、陽水さんは企画者の癖して、あまり、場を仕切ったりする事もなく、時折、「他の皆は、中津川フォークジャンボリーに参加したのに、アンドレ・カンドレ(井上陽水)は出てない」、なんて愚痴(?)をちょい、挟みながらも、基本的に、ずっと、控え目な立場を貫いている。陽水さん曰く、「ピッチャー、三上寛。キャッチャー、小室等。ショート加川良、センター、友部正人。セカンド、高田渡。そして、バックネット裏、井上陽水」(ショートとセカンドは逆かも知れない)。とりとめのない同窓会飲み会トークは、特に無茶苦茶、話がはずむ訳でもない、でも、話がはずまない事が、悪い事かといえば、一概にそうとも、決め付けられず、作られた感じのあまりしない、題して「ON THE BEACH 30年目のフォーク同窓会」では、あった。
「ジェラシー」(1981)から井上陽水の世界に嵌った私には、中津川フォークジャンボリーとか言われても、話に聞くだけの、遠い、昔の事。それこそ、バックネット裏で眺めているような感じだったけれど、噂に聞く伝説の人達の生の姿を観るのは、面白くない事もない。「トリビアの泉」だったら、思わず、「へぇ」ボタンを押したくなるような、話もちらほら。もしかしたら、「ふぅ~ん」ボタン程度かも知れないけれど。皆さん、それぞれ、世界を持ってらっしゃって、味のある大人になっていらっしゃる。
小室等さんと高田渡は髪も髭も白い物が目立ち、仙人の趣き。三上寛さんは坊主頭でアバンギャルド。気遣いの加川良さんと、マイペース吟遊詩人の友部正人さんは、共に、黒い髪のせいか、若く見える。この中に入った陽水さんは、なんだか、一番、年齢不祥の感じがする。何故だろう。
また、五人のゲストが、「陽水さんリクエスト」に応えて、持ち歌を唄うのだけれど、これが、存外、面白い。それぞれに、日本語の響きを大切にしている人達なんだなぁ、という感じがする。陽水さん自身も、自らの曲を「陽水 Summer Collection」とかいって、何曲か唄う。なかなか、盛り沢山。
曲目リストは、
かんかん照り/井上陽水(1972)。
ホテルのテラスで弾き語り。
傘がない/井上陽水(1972)
うん?これは、夏の曲かな。これは、当時の社会的背景を説明する一曲として選ばれた感じ。スタジオライブ。いわずもがなの名曲ではある。
生活の柄/高田渡(1971)
夢は夜ひらく/三上寛(1972)
夏星屑/井上陽水(1981)
スタジオライブ。シングル「ジェラシー」のB面に入っていた曲だ。だったら、「ジェラシー」唄ってくれても良かったのに。「ジェラシー」だって、夏の唄だと思うけれど。
教訓I/加川良(1971)
雨が空から降れば/小室等(1971)
一本道/友部正人(1972)
クレイジーラブ(1980)
スタジオライブ。シャウトしないクレイジーラブがちょっと、素敵。
ゼンマイじかけのカブト虫/井上陽水(1974)
ホテルのテラスで弾き語り。しみじみと。
「ジャラシー」が収録されてるアルバム「あやしい夜をまって/井上陽水」(1981)の中に、今日のゲスト、友部正人さん作詞、井上陽水さん作曲の「海はどうだ」という曲がある。これなんか、結構、私、好きな唄なのだけれど、唄ってくれなかった。
Comments
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