« 「人間の証明#8」。瞠目して聴くエンドテーマ | Main | 北村宏君で取った邁進特別、返す刀でやられた札幌はくぼクローバー賞 »

プラネタリウムのBGMに井上陽水の曲を使うなら

先週の土曜、日本未来科学館へ行った。お目当ては、プラネタリウム。この七月からメガスターIIという最新投影器が備え付けられて、肉眼では見えない位の、細かい星の輝きまで、きっちり、再現する優れもの、らしい。実は、プラネタリウムに行くのは子供の時、以来であった。

100人程で、一杯のドーム天井の部屋が、暗くなると、そこは、もう、お台場の夜空。徐々に視点は、上昇し、大層圏を抜け、気が付けば満天の星。空気の層を通さない夜空の眺め、スペースシャトルから眺めた景色も、かくやと思わせる。しかし、超豪華なCGを見慣れた目には、漆黒の空と、無数の星々の織り成す明暗のコントラストだけでは、ともすれば物足りなく感じたりする。だが、これは、極めて厳密で科学的な観測結果に基づいた、星空の再現であり、恣意的な脚色を出来るだけ排除した姿勢は、逆に、見る側の想像力を刺激する。太陽系の外へ、更に銀河の果てを越え、そして、宇宙の全体像に想いを巡らす一連のプログラムには、いかにも、科学未来館らしい、清々しさがあった。


日本科学未来館MEGASTAR II cosmosプロジェクト
メガスターII製作者、大平貴之氏のサイト
国立天文台4次元デジタル宇宙プロジェクト(大平貴之氏と共に、プラネタリウム番組「新しい眺め」を監修した小久保英一郎氏の所属プロジェクト)

このプログラムには、場を盛り上げる、それらしいサウンドBGMが使われていたのであるが、これを井上陽水の曲でやったら、どんなもんだろうと考えてみた。一緒にいった人は、「雅楽が絶対、合う」と力説していたけれど。どっちにしろ、物凄く、恣意的な演出になってしまいそうであるが、想像してみる事は、楽しい。

もちろん、井上陽水さんは、これまでに、沢山の曲を創っていて、それらは、単純にあるカテゴリーに収められるべきものではないとも思うのだが、便宜的に、ちょっと、井上陽水の夜の系譜とやらを、思い出してみると、これが、すいすいと出て来る。


夜のバス
青い闇の警告
闇夜の国から
夏星屑
星空へHappy Game

詳しく、辿れば、まだまだ、出てきそうであるが、ここで、是非とも、一推ししたいのが、

Yellow Night

である。
名曲「ジェラシー」の収録されたアルバム「あやしい夜をまって」のタイトル曲ともいうべき曲である。

曲全編に渡って、シンセサイザーの、たゆたう電子音が、かすかに煙るエロティックな雰囲気を醸し出す。ちょっと、おちょくった感じも、実に洒落てる。陽水さんが、シンセサイザーの音を、積極的に取り入れるようになったのは、このアルバムからではなかったろうか。このアレンジは川島裕二さん。

イントロが流れ出すだけで、静謐なプラネタリウムの星空は、途端にうごめき出すだろう。妖しく光を帯びてくるかもしれない。そこへ、突き抜けるように、陽水さんのハイトーンヴォイス。


俺のあの娘は夏でもミンクを着たがる
足の形はバナナのラインに近づく
陽気な面もあって
あの娘は、ピンクの、胸もあらわです
(「Yellow Night/井上陽水(1981)」)

バナナの黄色、ピンクの胸、様々に彩られる星空、そして、

いずれジルバのリズムが宇宙へ繰り出す
(「Yellow Night/井上陽水(1981)」)

その後は、この翌年、発表された「リバーサイドホテル」(1982)に繋げてみたい。アレンジは、星勝さん。極端に音を少なくして、一つ一つの音がスコーンと響き渡るように感じである。バックのリズムがピコピコのリズムボックスなんだけど、全然、安っぽくないのは、それと組み合わさる類い稀な、ヴォーカルのせいか。

誰も知らない夜明けが明けた時
街の角から素敵なバスが出る
(「リバーサイドホテル/井上陽水」(1982))

夜明けに明けられちゃったら、プラネタリウムにならないんだけど、そこには、目を瞑る。歌詞の意味から離れて、ただ、言葉の響きと星空が呼応するのを楽しんでいるうちに、

ホテルはリバーサイド
(「リバーサイドホテル/井上陽水」(1982))

って、言われて、気が付けば、プラネタリウムが、いつのまにか、川沿いのホテルになってる。「ベッドの中で魚になった」り、「川に浮かんだプールで一泳ぎ」。実に、楽しそうだ。

って。ちょっと、無理があるかなぁ。


「あやしい夜をまって/井上陽水」(1981)
(「ジェラシー」、「Yellow Night」収録)
「あやしい夜をまって/井上陽水」(1981)(「ジェラシー」収録)

「LION&PELICAN/井上陽水」(1982)
(「リバーサイドホテル」収録)
「LION&PELICAN」

GOLDEN BEST(1999/07/28)という井上陽水さんの集大成的ベストアルバムがミリオンセラーになって、一年後、GOLDEN BAD(2000/07/28)という裏ベストアルバムが発売されました。発売の企画を知った時、自分なら絶対、入れると、思っていた「Yellow Night」は、ちゃんと、収録されてました。ちなみに「リバーサイドホテル」は、「GOLDEN BEST」の方に入ってます。


|

« 「人間の証明#8」。瞠目して聴くエンドテーマ | Main | 北村宏君で取った邁進特別、返す刀でやられた札幌はくぼクローバー賞 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/28782/1297095

Listed below are links to weblogs that reference プラネタリウムのBGMに井上陽水の曲を使うなら:

« 「人間の証明#8」。瞠目して聴くエンドテーマ | Main | 北村宏君で取った邁進特別、返す刀でやられた札幌はくぼクローバー賞 »